『橘姓斑目家の歴史 古代・中世編』
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315第13章 ここが斑目四郎の居館だった?――平坦面からは、多くの掘立柱建物跡・台地縁辺の柵列▽斜面部上位には切岸と空堀▽同中腹には切岸、空堀の土砂で埋め尽くされた大型の掘立柱建物跡やテラス状遺構▽尾根部の頂部にはまとまった数量のかわらけを伴ったテラス状遺構――などを検出した。――「秋田空港アクセス道路」は秋田市の御所野と秋田空港を繋ぐアクセス道路。遺跡は、御所野台地の南東端JR奥羽本線和田駅と四ツ小屋駅の中間にあり、北東1・5キロメートルには秋田自動車道の秋田南インターチェンジが、南東2・5キロメートルにはそれから分岐する日本海沿岸東北自動車道ジャンクションがある。南東4キロメートルの地点に秋田空港があり、周辺は秋田県内でも交通基盤の最も整備された地域となっている。この『虚空蔵大台滝遺跡』の発掘調査は、東北古代史の研究者らから注目を集めているものの、主たる領域には手がつかないまま中断の状態が続いている。発掘調査は土地開発事業に伴う事前の緊急調査としてしか行えず、その未調査領域では現在開発事業が計画されていないためだ。緊急調査以外に「学術調査」という方式もありえるが、そのための予算は秋田市では「秋田城跡」調査に優先投入されている。

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