『橘姓斑目家の歴史 古代・中世編』
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273第12章 酔談「班目沢と斑目郷」止したままで、動かない。仕方なく非常階段を伝って降りていった。よく見ると、3・11大震災の名残なのだろう、階段の壁の表面に少なからぬ数のひびが長短の線となって稲妻のように走っている。一つの階を降り切るごとに、ご同僚が非常口のドアから次々に加わって来る。これほどの地震だと、新幹線はしばらく動かないかもしれない。朝食を早めにすませ、盛岡駅に行ってみたら、案の定、JRは安全点検のため全面ストップ。新幹線の運行は予定より2時間遅れとなった。◇ ◇こうして、なんとか島田氏との酔談にたどり着いた。場所は横手市役所近く、島田氏行きつけの和風居酒屋『我伶児』。小さな卓袱台をはさみ、胡坐をかいて向かい合った。島田氏には酒席の無礼講で、研究者としての推論を思いつくままに語ってもらった。

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