『橘姓斑目家の歴史 古代・中世編』
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271第12章 酔談「班目沢と斑目郷」横手駅周辺にあることを確認したうえで、ぶしつけながら「私は横手駅前のホテルに泊まるので、付近で軽く飲みながら話しませんか」と誘ってみた。横手駅の周辺であれば、天候が少々荒れても大丈夫だろうし、島田氏の帰宅が面倒になることもない。おまけに酒を飲みながらであれば、実証論理を厳守する研究者の口も少し滑らかになってくれるかもしれない。台風を追い風として初対面の研究者に対し放たせてもらった、逆転ホームランの緊急避難策だ。幸いなことに、島田氏は考古学研究者に多い職人タイプで、仕事の後の一杯を楽しみとし、毎晩自宅で晩酌をしているという。私の虫のいい誘いを二つ返事で快諾してくれた。◇一夜明けてみると、天気予報はものの見事にはずれ、台風は気配さえ全くといっていいほどなかった。しかし、その代わりというべきか、もう一つの天災に見舞われた。

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