『橘姓斑目家の歴史 古代・中世編』
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217第9章 斑目四郎の先祖が見つかった最初の「小金」が俘囚長ですよね。そしてだんだん国家に協力していった。そして出羽国の国司の少掾、それから雄勝郡の役人になっている。だから、たとえば手柄を立てたと、ご褒美は何がいいとなって、まあ今で言うお金は要らないわけですよね。地位と名誉が欲しいわけです。そうすると地元の近くのところのそういう役職を命ずる、これが古代国家の普通のパターンなんです。そういう点で、この系図は実に流れが自然ですよ。私はこれ、本物でも偽物でもどちらでもいいですけれども、別に偽物とするほどの不自然さはないと思います。――「河雄」の鎮守府軍曹というポストの印象は。だって新田郡でしょ、鎮守府があるのは陸奥国ですから。鎮守府の役人は武官。武官として手柄を立てた、あいつできるやつだということで、こういうポストに任命したというのはごく自然なケースです。だから、ここまで自然だとすると、これがインチキだと言う方が逆に不自然でもあります。

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