『橘姓斑目家の歴史 古代・中世編』
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17はじめにいるだけだから、それをもって「家伝」を否定する必要は全くない。歴史学的な「真実」といえども、実情は多くの場合は限られた史料の枠内で判断されたものにすぎない。先祖たちが「家伝」の中で生きて死んだ斑目家の歴史的実績の方に、許される範囲で最大限の重きを置くべきだろう。そんなふうに頭の中を整理したうえで、学者・研究者の方々に専門的な知見による系図の読解をお願いした。さらに「これ以上は何とも言えない」という領域に対しても、あえて歴史学の一般論からの推論をお願いした。こうして今回、薩摩斑目家と東日本斑目家の歴史について、幾つかの合理的な結論にたどりついた。斑目家の人々にとっては全く予想外の結論を含んでいて、にわかには信じがたいかもしれない。その妥当性について、それぞれに本文を読んで判断していただければと思う。その判断の手助けとなるよう、先に骨子を挙げておくことにする。

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