『橘姓斑目家の歴史 古代・中世編』
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167第8章 清水亮氏インタビュー 第8章 清水亮氏インタビュー白河斑目氏の謎を解くキーパーソンの斑目惟秀が登場する『在地領主の被官と南北朝内乱――陸奥国白河結城氏を中心に――』という論文がある。埼玉大学の清水亮准教授が白河結城家の被官事情を研究し、斑目惟秀についても言及している。清水氏を大学研究室に訪ね、惟秀の人物像と斑目家の歴史について聞いた。――清水さんは論文で北畠親房の『結城親朝宛御教書』に言及し、斑目惟秀の人物像について書いていますね。惟秀にどういうイメージをお持ちですか。南北朝の時代に、北畠親房が奥羽の武士団を南朝方に組織する際、官職をエサに使っているんですが、斑目惟秀は「周防権守」になりたがっていた。結果から見ると、惟秀はちゃんと「周防権守」になっている。惟秀は白河結城氏の家来だったようだから、結城氏が取り次いでやったんでしょう。一方で、惟秀は独立領主でもあるからこそ、「周防権守」の官途が欲しいと自ら要求できたのかもしれません。そんな二つの立場を持っていたという

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