『橘姓斑目家の歴史 古代・中世編』
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134◇ ◇【注】宝賀氏は鈴木真年について、小論文でこう書いている。――真年翁の多事多難な生涯を通じてなされた研究の五大目標の第一として「系図学ヲ大成スルコト」があげられており、事実大成までは至らないにしても、極めて大きな業績を系図学に残した。特に、国史・国文・地誌などの該博な知識に裏打ちされた適確な鑑識眼により貴重な系図を膨大な数で収集・採録したという業績に対しては、どのように賞讃しても賞讃し尽くせないほどである(『古代氏族の系譜について――ある大蔵省の先人鈴木真年の紹介』)。――その収集は個人研究者の収集した数としては空前絶後の規模であったが、真年の主要収集先の一つであった古代以来の社家が明治期の神社改革により四散した例が数多くあり、また、大名家や藩士などの武士階級に伝えられた資料も当時の大きな社会変動のなか

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