『薩摩斑目家』の歴史
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110指導・監督)・牧司(牧を掌る)・溝見廻(灌漑・排水の溝を掌る)・竹木見廻(竹木の植栽・保護の監督)・触役(郷士中への命令伝達)・部当(俗に町庄屋)・浦役(俗に浦庄屋)・庄屋(在郷の百姓を支配)などが置かれた。また、武芸鍛錬のための馬場や射場のほか、郷の総廟と祈願所、菩提寺も備わっていた。各郷は、「五人組」と呼ぶ小さな塊に分かれていた。郷士は、後に詳しく触れる「軍役高帳」によって財産や戸籍などを事細かに掌握され、また「手札改」によって思想を統一され、さらに、この「五人組」によって相互に日常生活を監視されていた。出生届を例にとれば、男子が出生した時は次のように手続きした。①戸主が五人組に届ける→②五人組が次書して組頭・物主に届ける→③組頭・物主が奥書して噯に届ける。☆出水麓出水麓は最古・最大の麓であり、北の高台の高屋敷地区と、平良川を挟んだ向江地区からなる。上級郷士が多く住む高屋敷地区の給与(持高)は、向江地区を大きく上回ってい

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